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読書の記事 (1/8)

ドル・人民元・リブラ

著者は中條誠一で新潮新書から発刊。
副題は通貨でわかる世界経済。
タイトルにリブラがあったので買ってみました。
全4章から。
第1章 ドル 世界に君臨し続ける旨み
第2章 ユーロ 再び危機は起こるのか
第3章 人民元・円 アジアで覇権を握るのは
第4章 仮想通貨 ビットコインとリブラの未来

読んで印象に残ったところ。
ドルは基軸通貨であるので、アメリカは膨大な利益を得ることができる。
とてつもない借金なのに利払いが少ない。
その理由はアメリカが垂れ流したドルを手にした世界の人たちは、それで日常の海外との取引をしなければならず必要なときにいつでも使えるように現金や当座預金で持つと利子がつかない。
外貨準備としてドルを手にした各国政府にとっては国の大事な資産なので、運用する際には安全第一、具体的には多くをアメリカが発行している国債で運用してますが、当然利回りが低い。
ということはアメリカが抱える膨大な債務の相当部分がこうしたものになるから、支払う利子・配当が少なくて済むというカラクリ。

人民元がドルに代わって基軸通貨となるには、今規制されている海外と中国本土との資本取引に人民元を使えるようにしなければならない。
なぜなら使い勝手が悪いと人民元を保有する数が伸びないため。
ちなみに円は黄昏の安全通貨だそうです(笑)

ビットコインは通貨というより投機性の強い金融資産なので、通貨の代わりにになり得ない。
政府がデジタル通貨を発行すると銀行の役目は大きく変わることになるだろう。
フェイスブックが発行予定のリブラは通貨の代わりになり得るかどうかは、通貨の持つ①価値を表示すること(価値尺度機能)、②取引の支払いに使えること(交換機能)、③価値を蓄えておけること(価値保存機能)を兼ね備えるられか。
特に③が重要だそうです。

これから取り巻く環境の変化も激しくなっていくでしょうから、自身で勉強していかないと。
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興味が湧いた方はご購入を。
この本ですぞ。
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創造する経営者

昨年の12月から藤屋式ニッチ塾で研修を受講しています。
ドラッカーを中小企業に役立つ内容に変換して行われています。
受講生の皆さんのレベルも高く、講義とディスカッションで研修は進むのですが、毎回ためになる内容で喜んで参加しています。
しかし、私自身の習熟度は周りと比べて、残念ながら決して高くありません。
というのも。
私自身、ドラッカーの本を読んでいないから。
今更ながら、読むことにして数ある中から手に取った1冊が「創造する経営者」です。

Ⅲ部構成。
第Ⅰ部 事業の何たるかを理解する
第Ⅱ部 機会に焦点を合わせる
第Ⅲ部 事業の業績をあげる
第Ⅰ部は8章から成っています。
その中で、第1章企業の現実で書かれていたのが、「第1に、業績の90%が業績上位の10%からもたらせるのに対し、コストの90%は業績を生まない90%から発生する。業績とコストとは関係がない。すなわち業績は利益と比例し、コストは作業の量と比例する。」
「第2に、資源と活動のほとんどは、業績にほとんど貢献しない90%の作業に使われる。すなわち資源と活動は、業績に応じてではなく作業の量に応じて割り当てられる。その結果、高度に訓練された社員など最も高価で生産的な資源が、最も誤って配置される。」
中小企業では、少ない人員を効果的に活用しなければならないのに、出来る人材を生産性の低い業務に充ててしまっているということです。
このような人材を作業にあたる業務から解放しなければ、企業の生産性は低いまま。
では、どうすれば良いかは、第Ⅱ部以降にしっかりと書かれていますので、ご一読ください。
経営者が行わなければならない意思決定。
中核になるのは次の3つ。
①事業の定義
我が社の事業は何か。
我が社の事業は何でなければならないか。
我が社の事業は何にならなければならないか。
②卓越性の定義
卓越性の定義の適切さを判断できるのは経験だけである。
卓越性の定義が有効であるためには、実行可能でらあって直ちに行動できるものでなければならない。
③優先順位の設定
優先順位の決定はそれほど難しくない。難しいのは劣後順位の決定、なすべきでないことの決定。延期は放棄を意味し、一度延期したものを復活させることは失敗。このことが劣後順位の決定をためらわせる。
優先順位の決定においては、機会と資源の最大利用の原則を適用しなければならない。
そして一番重要なことは、決定したことは断固として行わなければならない。

この優先順位のラストの部分が一番難しいのではないでしょうか。
人は妥協してしまいますから。

一度読んだからといって、習得した気になるほどの能天気ではないので、これから何度も読んでいきますよ。
そうすれば、ニッチ塾で藤屋先生の講義を理解し習得するのが早くなるのではないかな。

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まだ読んだことのない経営者、経営幹部の皆様は読むことをお勧めいたします!

ONE PIECE勝利学

東海大学海洋学部教授の山田吉彦の著書。
集英社文庫から発刊。
帯には、「困難な仕事も人間関係もONE PIECEで乗り越えられる」(笑)
ONE PIECE好きなので、思わず手にとってしまった次第。

全3章から。
第1章 「ONE PIECE」とは何か?
第2章 「ONE PIECE」のモデルになった海賊たち
第3章 「ONE PIECE」に学ぶ勝利への航海

第1章でONE PIECEに登場するキャラクターの特徴を説明し、主人公ルフィがリーダーとして相応しいか問題提起。
ルフィの特徴は、自分の足らないところを知り、仲間を頼る(権限委譲)ところ。
会社組織だと、この様なトップであれば人の活用が上手に出来るなではないか。
ルフィと対極にあるのが魚人族アーロン。
アーロンは、部下をどう使うか?という発想なので部下は使い捨ての駒。
こんなトップでは、上手な人材活用とはならないのでしょう。

第3章ではONE PIECEから何をどう学ぶか?が書かれています。
①心に目標という「地図」を持って、誇れる個性という「武器」を持とうと呼びかけてます。
②自分の限界を知る「勇気」が大切と。
限界を知っても、そこからどう動くか。時にはプライドを捨てる勇気も持って人に教えを請うことで、限界値を高めていけるわけです。
③仲間を作るには人を信じる。
人に頼れる力をリーダーは持たなければならない。
信じた仲間には任せることが大事なのです。
④リーダーには冒険心が必要。
冒険を恐れると何も成し遂げられない。
この時、リーダーがフラフラしてはいけないとゾロの言葉を引用して説きます。
ゾロの言葉「それが船長だろ‼︎ 迷うな。お前がフラフラしてやがったら俺たちは誰を信じりゃいいんだよ‼︎!」
トップは孤独で決断は重いものです。
しかし、決めた方針なのにトップが迷い始めると部下たちは右往左往してしまうのです。
⑤「歯車」ではなく「進化するパーツ」になろう。
協調とは個々の意思の集合体と著者は考えて、自分に与えられた裁量(例えその裁量が小さいものであっても)を使い、個人レベルで進化していけば良い訳だし、そなためには自分の得意分野を客観的に見つめ常に進化することを心がけていれば、どんな環境でもチャンスをつかめる。進化、パワーアップするには挑戦が必要。
失敗しても、また新しい挑戦が待っているのに、今の若い人はそれを待たずに辞めてしまうと嘆いていました。
その上で、共通の夢を持つ組織こそが最強と。
麦わらの一味は、全員がルフィの様に海賊王になろうとは考えていません。
自分達には、それぞれ夢があります。
ルフィとともに夢を追い求めていれば、自分の目標も達成出来ると信じ船に乗っている。
「麦わらの一味の共通の目標」はルフィの「海賊王になる」という夢を叶えることであり、それぞれが掲げる夢もそこに包括されている。
会社組織に置き換えると。
「社長の目標を社員がきちんと理解しており、それと同時に社員一人ひとりが自分の夢を叶えるために目標を設定して働けている組織」ということ。

個性豊かな麦わらの一味は、普段自由気儘に動くわけですが、ルフィが決断したことには従います。
これはルフィが、日頃からメンバーを尊重しているからこそなのだろう。

私もすずらんの中の一つのグループの長なので、メンバーを尊重していこうと強く思いました。
なんせ、足りないとこだらけの頼りないリーダーなもんで(笑)

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ONE PIECEを読んだことのない人は、是非コミックも手にとってください。

ペテロの葬列

読書の秋。
おあつらえ向きに3連休が2度あった9月。
先週、イッキ見放送でドラマ「ペテロの葬列」を見たのですが、もやもや感が残ったので、原作小説を買った次第。
その前にイッキ見で見た「名もなき毒」は良かったんですけど。

作者は宮部みゆきの小説で文春文庫から出版されています。
大雨の本日、旭川北高札幌支部同窓会の幹事打合せで出かけたので、その前に紀伊国屋書店で購入して読みました。
上・下巻2冊。

この本は、「誰か Someday」「名もなき毒」の続く杉村シリーズ3部作の3作目。
主人公・杉村はコナン君ほどではないけど、災いに巻き込まれやすい体質だそうでww
この三部作は人間の内なる悪を描いた作品。
ペテロの葬列では、再生産される悪が描かれています(ドラマでは悪は感染ると表現)

バスジャックに遭った主人公・杉村たちは、事件解決後にバスジャック犯(事件解決時に自殺)から慰謝料として数百万円送られてきます。
出所のわからないお金をただ受け取って良いか逡巡した被害者7人のうち4人は、この事件の背景を調べ始めます。
すると、昭和に起きた詐欺事件に行きつきます。
バスジャック犯は、この詐欺グループ(警察により社長・幹部は逮捕される)にその仕組みを幹部に教育した人。
システムとしてはねずみ講。
会員を集めれば、集めるほどキックバックが入るというもの。
幹部以外、皆初めは被害者。
詐欺の被害を受けた被害者が加害者になる。
これが再生産される悪なのですね。
バスジャック犯は、引退し、ふとしたきっかけから過去の自分のやっていた所業を悔い改めます。
その時に出会ったのが、この詐欺グループの被害に遭ってしまった老婆。
そして詐欺グループの3悪人(幹部ではなく、被害者から加害者になった人)を世間に晒すため、バスジャックを起こすというもの。
事件後に、協力者に頼んで慰謝料という名目でお金をバスジャックの被害者に送るわけなのです。

ドラマでもやもやしていたところ。
①バスジャックの被害者の一人である坂本君(20代・無職)が2度目のバスジャックを起こすところ。
  理由が良く分からなかったのですが、原作読んで合点がいきました。
  ドラマでは省かれていたので。
②バスジャック犯は、本当は詐欺の被害に遭った老婆だけにお金を渡せばよかったのではないか。
  なぜその他のバスジャックの被害者にまでお金を渡したのだろうか?
  残念ながら納得いく理由が書かれていませんでしたね~
  まぁ、私の読解力が劣っているだけかもしれませんが(笑)

企業の新入社員研修や管理職教育の講師「トレーナー」が、その巧みな弁舌能力を活かし、豊田商事事件のような詐欺集団となったとの記述箇所がありました。
彼らがトレーナー時代に用いた手法は自分の価値観の押し付け。
社命で参加している人たちは、トレーナーに逆らえないのをいいことにやりたい放題。
従わないと人格否定し、精神的に追い詰めていくのですから。
今でも、これに近い研修・セミナーの類は数多あるわけで。
人を信じることは大事ですけど、信じすぎることは間違いのもと。
その判断をするために、読書などから知識を得ておかなけらばならないということでしょうね。

読書の秋ですので、皆さんも多くの本を読んでみてくださいね🎶

税のタブー

集英社インターナショナルから出版された三木義一の著書。
全11章からなっています。
第1章 宗教法人
第2章 政治団体と税
第3章 暴力団に課税できるか?
第4章 必要経費を考える
第5章 交際費課税はそろそろやめよう
第6章 印紙税はいらない!
第7章 固定資産税はミスだらけ
第8章 酒の販売と免許
第9章 特別措置は必要か?
第10章 源泉徴収・年末調整
最終章 国境

興味深く読みました。
第4章の必要経費を考えるで、シングルマザーの個人事業主(弁護士)が業務遂行のためにベビーシッターを頼んだ場合の料金を必要経費とできるか?と投げかけます。
私は出来ると考えました。
だって子供の面倒を見てもらえなければ、業務出来ないわけですから。
給与所得者ならダメです。
なぜなら、給与所得控除で概算経費を認められているからです。
しかし、著者が税理士向けの講演会でこの質問をしたところ、何と95%の税理士ができないと答えたそうな。
課税庁が、経費と出来るのは事業に直接関係あるものと限定して運用しているからです。
しかし、最高裁で平成26年1月17日の上告不受理決定で従来の税務署の狭い解釈は、間違っていたことを認めたのです。
だから、経費処理してみる価値があると思えるのですけどね。
第6章の印紙税なんて仰る通り!
この仕事を始めるまで印紙税の存在そのものを知りませんでしたからね。
第9章の特別措置は必要か?
本法を変えるのは大変な労力を必要とするので、特別措置法を制定して急場をしのぐ。
これは政治家の人気取り政策を反映している側面が強いようで。
平成13年に贈与税の基礎控除が60万円から110万円に引き上げられたのですが、相続税法を変えたのではなく、特別措置法で引き上げていただけとは。

そんなに難しくは書かれていないので、ご興味のある方は是非ご一読を。

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